受付のバイト・パートの時給と働き方|平均1,231円

受付のバイト・パートの探し方と働き方

受付のパート・アルバイトの時給は、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると平均1,231円である。

金額としてはこれで答えが出ている。ただ、この数字だけで求人票を読むと、たいてい判断を間違える。

同じ調査で、この1,231円を受け取っている人たちの平均像も出ている。月13.7日、1日5.7時間、平均年齢50.1歳、勤続6.2年。学生が放課後に入る短期のアルバイトを思い浮かべていると、想像とかなり違う集団の平均を見ていることになる。

平均像を先に押さえておくと、時給の数字が何を指しているかが変わる。

目次

受付のパート・アルバイトの平均像は「週3日・1日5.7時間」

短時間労働者の統計は、時給だけでなく働いた日数と時間まで揃えて公表されている。掛け算をすると、月にいくら手に入るのかが出る。

月収は9万6,129円

令和6年賃金構造基本統計調査(企業規模計10人以上・男女計)の「受付・案内事務員」の短時間労働者を見ると、次の数字が並ぶ。

  • 1時間当たり所定内給与額:1,231円
  • 実労働日数:月13.7日
  • 1日の所定内実労働時間:5.7時間
  • 年間賞与その他特別給与額:34,200円
  • 労働者数:84,580人

この3つを掛けると、1,231円 × 5.7時間 × 13.7日 = 月9万6,129円になる。年間では賞与を足して約119万円である。

月13.7日を週に直すと3.15日。求人票でよく見る「週3日〜」という条件は、平均像とほぼ重なっている。

フルタイムの受付と、人数がほぼ同じ

同じ職種のフルタイム(一般労働者)は84,880人で、短時間労働者の84,580人とほとんど変わらない。受付という職種は、働く人のおよそ半分が短時間勤務で成り立っている。

コールセンターの側は事情が違う。電話応接事務員はフルタイム179,540人に対して短時間97,730人で、短時間勤務は3分の1強にとどまる。同じ「窓口の仕事」でも、パートを前提に組まれている度合いが違う。

受付の求人で短時間の枠が見つけやすいのは、この構成の差から来ている。窓口が開いている時間だけ人がいればよい業務では、フルタイム1人を置くよりも短時間の2人で回すほうが、開館時間や診療時間の区切りに合わせやすい。受付の求人が午前だけ・午後だけという形で出るのは、この事情の反映である。

裏返すと、フルタイムの受付を探す場合は求人の母数が半分になる。同じ職種名で検索していても、雇用形態を絞った時点で見えている市場は別物になる。

近い職種と並べると、受付は時給も月収も下にいる

1,231円が高いのか低いのかは、単独では判断できない。同じ短時間労働者の統計で、応募先が競合しやすい職種を並べる。

月収では4万円以上の差がつく

職種(短時間労働者) 時給 実労働日数 1日の労働時間 月収換算 労働者数
受付・案内事務員 1,231円 13.7日 5.7時間 96,129円 84,580人
事務用機器操作員(データ入力) 1,241円 15.8日 5.9時間 115,686円 20,760人
看護助手 1,258円 15.4日 5.6時間 108,490円 54,920人
介護職員(医療・福祉施設等) 1,323円 14.7日 5.9時間 114,744円 521,580人
電話応接事務員(コールセンター) 1,363円 14.0日 5.9時間 112,584円 97,730人
総合事務員 1,509円 15.6日 5.9時間 138,888円 231,520人

月収換算は「時給 × 1日の所定内実労働時間 × 実労働日数」で計算した。

並べた6職種のうち、受付・案内事務員は時給も月収も最も低い。総合事務員との時給差は278円だが、月収の差は4万2,759円まで開く。

差を広げているのは時給ではなく日数

受付の実労働日数13.7日は、この6職種で最も少ない。時給の差が2割強なのに月収の差が4割強になるのは、時給と日数の両方で下にいるからである。

これを不利とだけ読むかどうかは、求める働き方による。月13.7日は、週3日で組めば残り4日が空く。短く働くことが目的なら、日数が少ない設計は条件に合っている。逆に月収を積みたい場合、受付の平均的なシフトのままでは届かない。

つまり受付のパートは、収入の総額ではなく拘束時間の短さで選ばれている職種だと読める。給与水準の全体像は受付の年収・給料の相場で扱っている。

フルタイムとの本当の差は、時給279円ではなく賞与にある

同じ受付でも、フルタイムとパートでは受け取り方の構造が違う。時給に直して比べると、その違いがはっきりする。

時給換算では279円差

フルタイムの受付・案内事務員は、所定内給与額241,600円を所定内実労働時間160時間で割ると時給換算1,510円になる。パートの1,231円との差は279円である。

区分 時給(換算含む) 年間賞与 月の労働時間 平均年齢 勤続年数
フルタイム(一般労働者) 1,510円 485,800円 160時間 42.0歳 8.6年
パート・アルバイト 1,231円 34,200円 78.1時間 50.1歳 6.2年

時給の差は18%ほどだが、年間賞与は14倍の開きがある。フルタイムの超過実労働時間は月7時間で、残業で積み上げているわけでもない。

賞与が0円ではない点は見ておきたい

パートの年間賞与34,200円は、金額としては小さい。それでも0円ではないことに意味がある。

パートタイム・有期雇用労働法は、同じ企業の中で正社員とパート・有期雇用労働者との間に不合理な待遇差を設けることを禁じている。基本給や賞与を含むすべての待遇が対象で、賞与の目的が労務の対価の後払いや功労報償にあるなら、職務の内容などの違いに応じた均衡のとれた支給が求められる。

求人票に「賞与なし」と書かれている場合、それが職務内容の違いによるものか、単に制度が無いだけなのかは書面からは分からない。平均が34,200円ある以上、賞与欄が空欄の求人は、年収ベースで平均より下に沈む。

入職は平均43.9歳。学生アルバイトが主流の職種ではない

平均年齢50.1歳という数字は、そのままだと「高齢の人が多い」以上のことを言わない。勤続年数と組み合わせると、もう少し具体的なことが見えてくる。

50.1歳から6.2年を引くと43.9歳

平均年齢50.1歳、平均勤続6.2年。差し引くと、平均的な入職時期は43.9歳という計算になる。

40代前半で受付のパートを始め、50代に入っても続けている。これが平均像である。新卒や学生の時期から積み上げてきた職種ではない。

比較すると、データ入力(事務用機器操作員)の入職時期は40.8歳、総合事務員は40.7歳。受付とコールセンター(44.5歳)は、事務職より3年ほど遅い時期に入っている層である。

未経験の入口として使われている

入職年齢が40代前半に寄っているということは、それ以前に別の仕事をしていた人が入ってきているということでもある。受付のパートは、職種を変える際の入口として機能している。

ただし統計が示すのは分布の中心であって、上限や下限ではない。学生の応募が不可という意味ではないし、20代の受付が存在しないという意味でもない。求人を選ぶときに使えるのは、「40代からの応募が例外的ではない」という事実のほうである。年齢帯ごとの考え方は40代・50代から始める受付・コールセンターに分けて書いた。

未経験からの応募が前提になっている求人は未経験歓迎の受付・コールセンター求人特集にまとまる。

週18.0時間という平均が、社会保険の手前で止まっている

労働時間を週単位に直すと、この職種の平均像がもう一つ別の線と関係していることが分かる。

月78.1時間・週18.0時間

1日5.7時間 × 月13.7日 = 月78.1時間。これを週に均すと18.0時間になる。

短時間労働者が勤め先の社会保険に加入する要件のひとつは、週の所定労働時間が20時間以上であることである。受付・案内事務員の平均像は、その手前で止まっている。

同じ計算をコールセンター(電話応接事務員)で行うと週19.0時間、総合事務員は週21.2時間、データ入力は週21.5時間になる。受付は、比較した職種の中で最も週の時間が短い。

平均が20時間未満に収まっているのは偶然ではない

50歳前後・勤続6年前後という層が、週18時間で働いている。この組み合わせを見ると、扶養の範囲に収まる形でシフトが設計された結果がそのまま平均に出ている、と考えるほうが自然だろう。

ここから先の金額の線引きは、税と社会保険の制度側の話になる。106万円と130万円がそれぞれ何を意味するかは扶養内で働く受付・コールセンターの壁にまとめてあるので、扶養を前提に探すならそちらを先に読んだほうが早い。

この記事で押さえておきたいのは、求人票の「週3日程度」という表記が、平均像とほぼ一致しているという点である。標準的な条件を提示している求人だと判断してよい。

求人票は、月収に換算してから比べる

時給の数字だけを横に並べても、実際に手元に残る額の順序とは一致しない。

揃える単位は「時給 × 1日の時間 × 月の日数」

たとえば時給1,300円・1日4時間・週3日(月13日)の求人は、月収67,600円になる。時給1,250円・1日6時間・週3日(月13日)なら97,500円である。時給は前者のほうが50円高いのに、月収では3万円近く負ける。

  • 時給の額面
  • 1日の実働時間(休憩を除く)
  • 月または週の勤務日数
  • 賞与の有無と、ある場合は年間の実績額

この4つを揃えて初めて、2つの求人が比較可能になる。1つでも欠けている求人票は、応募前に問い合わせて埋めておきたい。

時給は地域の最低賃金と比べる

平均1,231円は全国の数字であり、地域差をならしている。令和7年度の地域別最低賃金は、全国加重平均が1,121円、最高が東京都の1,226円、最低が高知県・宮崎県・沖縄県の1,023円である。

東京で時給1,231円の受付求人を見つけたとしても、それは最低賃金より5円高いだけの水準にあたる。一方、最低額の地域では200円以上の上乗せになる。

同じ1,231円が、地域によって「平均並み」にも「最低限」にもなる。応募先の都道府県の最低賃金を先に調べておくと、求人の位置づけを取り違えずに済む。

日数に幅がある求人は、下限で計算する

「週2〜4日」「月10〜16日」のように幅で書かれた求人は、シフトの実態が確定していない。月10日と月16日では、時給1,231円・1日5.7時間で計算して月70,167円と112,267円になり、4万円以上ひらく。

幅の広い求人票を見るときは、下限の日数で月収を出しておく。上限は繁忙期の見込みであって、毎月そこまで入れる保証はない。逆に扶養の範囲を守りたい場合は、上限で計算しておかないと年間の見込みを踏み越える。同じ求人票を、目的によって反対側の端から読むことになる。

よくある質問

受付のバイト・パートの時給はいくらですか

令和6年賃金構造基本統計調査の短時間労働者(企業規模計10人以上・男女計)で、受付・案内事務員の1時間当たり所定内給与額は1,231円である。平均年齢50.1歳・勤続6.2年の集団の平均値であり、地域や勤務先タイプによって上下する。

受付のパートは月にどのくらい働きますか

同じ調査で実労働日数は月13.7日、1日の所定内実労働時間は5.7時間。月78.1時間、週に均すと18.0時間になる。週3日・1日6時間弱というシフトが標準的な設計である。

未経験でも受付のパートはできますか

統計から言えるのは、平均年齢50.1歳から勤続6.2年を引いた入職時期が43.9歳にあたるという点である。40代前半で新たに入っている層が平均を作っている以上、その時点で受付の経験を持たない応募者が相当数含まれていると考えるのが自然である。

パートでも賞与はもらえますか

受付・案内事務員の短時間労働者の年間賞与は平均34,200円である。額は小さいが支給実績はある。パートタイム・有期雇用労働法は正社員との不合理な待遇差を禁じており、賞与も対象に含まれる。

扶養の範囲で働けますか

平均像の年収は約119万円で、130万円の内側に収まっている。週の労働時間も18.0時間と、社会保険の加入要件である週20時間には届いていない。ただし勤務日数を増やせば超える。金額の線の詳細は扶養内の記事に分けて整理している。

次に読む

出典

  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」短時間労働者 職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額(企業規模計10人以上・男女計)/一般労働者 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額・所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
  • 厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」(全国加重平均1,121円・最高額 東京都1,226円・最低額 高知県/宮崎県/沖縄県1,023円)
  • 厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法の概要」(第8条 均衡待遇規定・第9条 均等待遇規定/賞与を含むすべての待遇について不合理な待遇差を禁止)

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この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

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