主婦・ママの受付・コールセンター|週の日数で決まる両立

主婦・ママにおすすめの受付・コールセンターの働き方|両立のコツと求人の選び方

主婦・ママ歓迎と書かれた受付・コールセンターの求人を比べるとき、最初に見る欄は時給ではない。週に何日入る契約か、である。

2025年4月に育児・介護休業法が変わり、子の看護等休暇を労使協定で対象外にできる範囲が「週の所定労働日数が2日以下の労働者」だけに絞られた。週2日の契約と週3日の契約のあいだで、子どもが熱を出した日の扱いが変わる。時給の差はあとから効いてくるが、この差は初日から効く。

もうひとつ、求人票を読む前に知っておきたい数字がある。厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で短時間労働者の平均像を見ると、受付・案内事務員は平均年齢50.1歳、電話応接事務員(コールセンターのオペレーターを含む区分)は50.2歳である。統計に出てくるパートの平均像は、子育て真っ最中の層ではない。

目次

パートの平均像は50歳前後で、子育て中の層とは重ならない

受付とコールセンターの短時間労働者を並べる

令和6年賃金構造基本統計調査の短時間労働者(企業規模計10人以上・男女計)から、2職種を取り出す。

項目 受付・案内事務員 電話応接事務員
1時間当たり所定内給与額 1,231円 1,363円
月の実労働日数 13.7日 14.0日
1日の所定内実労働時間 5.7時間 5.9時間
月収換算 約96,100円 約112,600円
平均年齢 50.1歳 50.2歳
勤続年数 6.2年 5.7年
労働者数 84,580人 97,730人

月収換算は「1時間当たり所定内給与額 × 1日の所定内実労働時間 × 実労働日数」で計算した。時給の差は132円だが、実労働日数と1日の時間がわずかに違うため、月収では1万6,500円ほど開く。

週18時間という平均が示しているもの

月の労働時間に直すと、受付・案内事務員は78.1時間、電話応接事務員は82.6時間になる。週あたりでは18.0時間と19.1時間である。

勤続年数は6.2年と5.7年。50歳前後で、週18時間前後を6年続けている人が平均像になる、という並びだ。子どもが小さいうちに入って、就学後もそのまま続けた人がこの位置に集まっている、と読むほうが自然だろう。入口の姿ではなく、続いた結果の姿である。

だから求人を選ぶときに、この平均値を自分の初任時給や勤務日数の目安として使うと外れる。使えるのは別の部分だ。週18時間前後という水準は、扶養の範囲を保ちながら働くシフトの形として、この2職種で成立していることを示している。年収換算では受付・案内事務員が約119万円、電話応接事務員が約137万円になり、130万円をまたぐかどうかが入れ替わる。この境界の詳細は扶養内で働く受付・コールセンターで扱った。

両立できるかどうかは、週の所定労働日数で切り分けられる

週2日以下だと、子の看護等休暇から外されることがある

子の看護等休暇は、小学校3年生修了までの子を養育する労働者が、子1人なら年5日、2人以上なら年10日まで取得できる休暇である。2025年4月の改正で、対象となる子の範囲が小学校就学前から小学3年生修了までに延び、取得事由に「感染症に伴う学級閉鎖等」と「入園式・卒園式・入学式」が加わった。1時間単位でも1日単位でも取れる。

パートで働く人にとって効くのは、除外規定の側の変更である。改正前は労使協定を結べば「週の所定労働日数が2日以下の労働者」と「継続雇用期間6か月未満の労働者」を対象から外せた。改正後は後者が撤廃され、外せるのは週2日以下の人だけになった。

入って3か月でも取れる。ただし週2日の契約なら、勤め先が労使協定を結んでいる限り取れない。

週2日と週3日で変わるもの

契約 子の看護等休暇 補足
週の所定労働日数が2日以下 労使協定があれば対象外にできる 就業規則で確認する
週の所定労働日数が3日以上 除外できない 勤続期間の長短は問わない

求人票でよく見る「週2〜3日から」という書き方は、幅ではなく境界をまたいでいる。週2日で契約して足りない分をシフト追加で埋める形にすると、所定労働日数は2日のままなので、除外の対象から抜けられない。契約書に書かれた日数と、実際に入る日数は別のものとして扱われる。

面接で確認するなら、質問は「週何日まで入れますか」ではなく「契約上の所定労働日数は何日になりますか」になる。

残業免除と柔軟な働き方の措置は、2025年に対象が広がった

残業免除は小学校就学前の子まで請求できる

所定外労働の制限、いわゆる残業免除は、2025年4月の改正で対象が「3歳未満の子を養育する労働者」から「小学校就学前の子を養育する労働者」に広がった。請求すれば、事業主は所定労働時間を超える労働をさせられない。

コールセンターでは、終了時刻の直前に入った電話が長引くという形で所定時間を超えることがある。保育園のお迎え時刻が動かせない人にとって、この制度が就学前まで使えるかどうかは、月に何回かの遅刻を防げるかどうかに直結する。

2025年10月からは5つのうち2つ以上が用意される

3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、事業主は次の5つから2つ以上を選んで用意する義務を負う。労働者はそのうち1つを選んで使える。

措置 内容
始業時刻等の変更 フレックスタイム制、または時差出勤
テレワーク等 1日の所定労働時間を変えず、月10日以上利用できるもの
保育施設の設置運営等 ベビーシッターの手配・費用負担を含む
養育両立支援休暇 1日の所定労働時間を変えず、年10日以上取得できる休暇
短時間勤務制度 1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの

どの2つを選んだかは会社によって違う。求人票に書かれることはまずないので、応募先の就業規則を見るか、面接で聞くしかない。テレワークと短時間勤務の組み合わせを選んだ会社と、始業時刻の変更と養育両立支援休暇を選んだ会社では、同じ時給・同じ日数でも一日の回し方が変わる。

聞き方としては、制度名を出すより「3歳から就学前の子がいる場合に選べる措置は何を用意していますか」のほうが通じやすい。事業主にはこの措置を個別に周知する義務もあるため、答えられない会社は運用が追いついていない可能性がある。

在宅勤務は、子育て事情では動かない条件で決まる

実施は60%、理由の最多は働き方の多様化

日本コンタクトセンター協会が2025年6月から7月に実施した実態調査(対象109社・回答68社)によると、在宅オペレーションを「既に実施している」と答えた企業は非公開を除く65社中39社で60%だった。実施している39社に理由を聞くと、「働き方の多様化のため」が33社で84.6%、「BCP対策のため」が24社で61.5%、「採用が容易である」が15社で38.5%となっている。

在宅は育児支援として導入されたものではない。人が採れないことと、災害時に電話を止めないことの両方から出てきた選択である。結果として子育て中の人が使える枠になっている、という順番だ。

実施しない会社の理由はセキュリティに集中する

同じ調査で「実施予定はない」と答えたのは22社。理由は「セキュリティ上の問題」が18社で81.8%と最も多く、「クライアントの要望」が12社で54.5%、「労務管理上の問題」が11社で50.0%と続く。

つまり在宅可否は、扱う情報の種類と委託元の意向で決まる。金融や医療の受託案件を持つセンターが在宅を出しにくいのは、応募者の家庭事情とは関係のない理由による。「在宅にしてもらえませんか」という交渉が通る余地は小さい。在宅で働きたいなら、交渉ではなく最初から在宅の求人を選ぶことになる。

手が離れたあとにフルタイムへ戻すと、条件はどう変わるか

差は時給よりも賞与に出る

同じ調査の一般労働者(フルタイム)から、女性の数字を取り出す。受付・案内事務員は平均40.3歳・勤続7.5年で年収換算331万円、電話応接事務員は43.6歳・勤続7.5年で358万円になる。年収換算は「きまって支給する現金給与額 × 12ヶ月 + 年間賞与」で計算した。

時間当たりに直すと、受付・案内事務員が1,428円、電話応接事務員が1,668円。パートの1,231円・1,363円との差は197円と305円である。フルタイムに移ると時給の水準そのものも上がるが、差はそれほど大きくない。

開くのは賞与のほうだ。フルタイム女性の年間賞与は受付・案内事務員が422,300円、電話応接事務員が326,600円。短時間労働者の年間賞与は34,200円と20,100円で、10倍以上の開きがある。年収の差の相当部分がここから来ている。

残業は月7〜8時間で、戻しやすい部類に入る

フルタイムの超過実労働時間は、受付・案内事務員が月7時間、電話応接事務員が月8時間である。所定内実労働時間は160時間と154時間。

長時間労働で年収を積んでいる職種ではない。子どもが小学校に上がったあとにフルタイムへ戻す前提で職種を選ぶなら、この残業の少なさは実務的な条件になる。パートで入って同じ会社でフルタイムに切り替えられるかは、求人票では判断できないため、正社員登用や契約変更の実績を面接で確認しておきたい。

求人票のどこを見れば、続けられるかが分かるか

見る順番は、所定労働日数・在宅の有無・1日の所定労働時間

ここまでの制度と数字から、確認する欄は3つに絞れる。

  • 契約上の週の所定労働日数が3日以上か。2日以下だと子の看護等休暇から外れる場合がある
  • 在宅勤務の可否。応募後に条件を変える交渉は通りにくい
  • 1日の所定労働時間。6時間以下の契約だと、短時間勤務制度の対象からは外れる

3つのうち最も見落とされやすいのは3つめである。1日5時間や5.5時間の契約は、時短勤務を制度として使っている状態ではなく、最初から短い契約を結んでいる状態にあたる。子どもの就学などで勤務時間を戻したくなったとき、制度で戻すのではなく契約を結び直すことになる。

条件から絞りたい場合は主婦・ママ歓迎の受付・コールセンター求人特集で、勤務日数と在宅可否を先に指定してから時給を見るほうが早い。

ブランクと年齢は、この2職種では不利になりにくい

同じ実態調査で、採用活動に「苦労している」26社と「やや苦労している」29社を合わせた45社が、非公開を除く67社の82.1%を占めた。職種別の不足感では、コミュニケーター・オペレーターについて66社中48社(72.7%)が不足を訴えている。過剰気味と答えた企業はない。

賃金構造基本統計調査の短時間労働者の平均年齢が50歳前後だったことと合わせると、この2職種は40代・50代が主力の現場である。ブランクの長さより、週に何日確実に入れるかのほうが選考で問われやすい構造になっている。入職時の研修の中身はコールセンター未経験デビューまでの流れで整理した。

よくある質問

子どもが急に熱を出したとき、パートでも休めますか

小学校3年生修了までの子を養育していれば、子の看護等休暇を子1人あたり年5日、2人以上なら年10日まで取得できる。2025年4月から時間単位でも取れる。ただし週の所定労働日数が2日以下の場合、勤め先が労使協定を結んでいれば対象から外れる。契約上の日数を確認しておきたい。

受付とコールセンター、子育て中に選ぶならどちらですか

勤務時間の融通で選ぶならコールセンターである。在宅の実施率が6割に達しており、席が空いている時間帯にシフトを入れる形が取りやすい。一方で受付は勤務先の営業時間に張り付くため、時間帯の選択肢は少ない。月の実労働日数は13.7日と14.0日でほぼ変わらないので、日数ではなく時間帯の自由度で分かれる。

ブランクが10年ありますが採用されますか

コンタクトセンター企業の82.1%が採用に苦労していると答えており、オペレーターの不足感は72.7%にのぼる。短時間労働者の平均勤続年数は受付6.2年・コールセンター5.7年で、平均年齢は50歳前後である。長いブランクのあとに入った人がそのまま数年続けている職種、という読み方ができる。

在宅なら子どもを見ながら働けますか

在宅勤務でも所定労働時間中は勤務にあたるため、育児と同時並行にはならない。コンタクトセンター企業が在宅を実施しない理由として「労務管理上の問題」を50.0%が挙げている点からも、勤務時間の管理は在宅でも行われていると考えるほうが妥当である。保育の手当てを前提にしたうえで、通勤時間が消える分を使う制度として見ておきたい。

扶養の範囲に収めたい場合は何を見ますか

年収の上限ではなく、週の所定労働時間から先に見る。社会保険の加入要件は週20時間以上であり、賃金要件は2026年10月に撤廃される予定である。パートの平均像は受付が週18.0時間、コールセンターが週19.1時間で、どちらも20時間の手前に収まっている。

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出典

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この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

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