電話交換・インフォメーションの仕事|代表電話の実態

インフォメーション・電話交換(代表電話)の仕事|仕事内容・向いている人・未経験の始め方

結論から書く。電話交換・インフォメーションの仕事は、組織にかかってきた電話を最初に受け、用件を聞いて担当者に渡すことである。会社の代表番号、病院の代表番号、大学の代表番号。外から見て入り口が一つしかない組織には、必ずこの役割が置かれている。

ところが、求人サイトで「電話交換手」と検索しても件数はほとんど出てこない。職種として消えたわけではない。統計の側でも、この職業は単独では数えられていない

数えられていないという事実そのものが、この仕事の輪郭を説明している。分類から見ていく。

目次

「電話交換手」は統計上、コールセンターと同じ箱に入っている

総務省の日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)は、職業を大分類12・中分類74・小分類329に整理している。電話交換手が入るのは、大分類C「事務従事者」、中分類25「一般事務従事者」の下にある小分類256である。

小分類256「電話応接事務員」の中身

分類の説明はこうなっている。「電話の呼び出し・交換・取次ぎの仕事や電話による苦情、照会への対応、アポイントの取り付けなどの仕事に従事するもの」。

職業例として挙げられているのは、電話交換手、コールセンターオペレーター、テレフォンアポインター、調査員(電話によるもの)、通信販売受付事務員(電話によるもの)である。

代表電話の交換手と、通販の受注オペレーターと、営業のアポ取りが、同じ小分類に同居している。共通しているのは電話が主たる手段であることだけで、仕事の中身も評価のされ方も違う。

受付・案内事務員(254)とは別の箱になっている

同じ中分類の中に、小分類254「受付・案内事務員」がある。説明は「受付・案内・応接などの仕事に従事するもの」で、職業例には受付・案内事務員、フロント(企業)、図書館カウンター受付職員、博物館受付職員が並ぶ。

小分類 名称 主な職業例 分けている基準
254 受付・案内事務員 受付事務員、フロント(企業)、図書館カウンター受付職員 対面での受付・案内が主
256 電話応接事務員 電話交換手、コールセンターオペレーター、テレフォンアポインター 電話が主たる手段

分類が分かれている基準は、扱う相手ではなく手段である。同じ建物の同じフロアにいても、対面が主なら254、電話が主なら256に入る。

そして256の説明には「電話の呼び出し・交換・取次ぎ」が最初に来る。交換手はこの区分の原型にあたる職業だが、統計の集計単位としては単独で取り出せない

だから「電話交換手の年収」という数字は存在しない

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査は、この職業分類に沿って集計している。電話応接事務員のフルタイム労働者は17万9,540人、平均年齢43.6歳、平均勤続7.8年。短時間労働者は9万7,730人である。

17万9,540人の内訳は開かない

この17万9,540人には、代表電話の交換手も、通販センターのオペレーターも、発信専業のテレアポも含まれている。調査は内訳を持たない。

つまり、求人票で見た代表電話の仕事の給与が高いのか低いのかを、この統計で直接判定することはできない。使えるのは、電話を主たる手段とする職種全体の水準として見る場合に限られる。金額の内訳はコールセンターの年収・給料で分解した。

受付側の統計と比べると位置が分かる

同じ調査で受付・案内事務員はフルタイム8万4,880人、パート8万4,580人である。電話側の27万7,270人に対して、受付側は16万9,460人。母数で6割ほどになる。

この差は、電話を扱う職の中でコールセンターの比重が大きいことを反映している。代表電話専業のポストは、この母数の中では少数側にあると考えたほうがいい。実際、求人の出方も企業受付との兼務が多い。企業受付との境界は企業受付・総合受付の仕事内容で整理した。

代表電話の仕事は、1本につき3回の判断が入る

「取り次ぐだけ」という説明は、この仕事の中身をほとんど伝えていない。分類の説明文に「苦情、照会への対応」が併記されているのは、そこが業務だからである。

判断1:どこまで名乗らせるか

第一声で会社名と用件を名乗る相手ばかりではない。「社長をお願いします」だけで始まる電話は珍しくない。名乗らない相手にどこまで聞くかは、組織のルールと相手の性質で変わる。

営業電話を弾く役割を代表電話に持たせている組織では、この聞き取りが最初の関門になる。逆に、取引先を待たせないことを優先する組織では、確認を短くして回す。どちらに寄っているかは入社してから分かることが多い。

判断2:誰に渡すか

用件を聞いて担当部署を決める。ここで必要なのは電話の技術ではなく、組織図が頭に入っていることである。誰が何を担当しているか、兼務がどうなっているか、休みの日は誰が代わるか。

新しく入った人が最初に詰まるのはここで、覚えるまでは保留の時間が伸びる。逆に言えば、組織を覚えた時点で仕事の8割が終わる構造をしている。

判断3:渡せないときにどうするか

担当者が不在なら、伝言を預かるか、折り返しを約束するか、別の人につなぐかを選ぶ。緊急性の判断がここに入る。

取次が成立しない場合の処理が、代表電話の実務では最も重い。この工程の型は電話対応のマナーにまとめた。

インフォメーションと電話交換は、同じ求人に混ざっていることが多い

求人票では「インフォメーション・電話交換」とまとめて書かれることがある。実際の業務比率は職場で違う。

施設のインフォメーションは対面が入る

商業施設、病院、大学、公共施設のインフォメーションカウンターは、来館者への案内が主になる。館内の場所を聞かれる、落とし物を預かる、館内放送を流す。電話は業務の一部である。

この形なら、分類上は受付・案内事務員(254)側に寄る。館内放送や呼び出しは電話設備を使うが、主たる手段は対面だからだ。

企業の代表電話は電話が主になる

一方、オフィスビルの中で代表電話だけを受けるポストは、来客対応を持たないことがある。この場合は電話応接事務員(256)側になる。

求人票のどちらに当たるかは、勤務場所の記載で見当が付く。エントランスやカウンターと書かれていれば対面が入り、執務フロアや電話交換室と書かれていれば電話が主になる。

固定電話が半分になった先で、この仕事はどこへ動いたか

代表電話の仕事は減ったのか。総務省の令和6年通信利用動向調査(令和6年8月末時点)の数字が、前提の変化を示している。

世帯の固定電話保有率は54.9%

同調査で、固定電話を保有する世帯の割合は54.9%だった。2005年の90.7%、2013年の79.1%から下がり続けている。個人の連絡は携帯とテキストへ移った。

ただしこれは世帯の数字であって、企業の代表番号が減ったことを意味しない。組織に外から連絡する経路として、代表番号は残っている。減ったのは、かける側が電話に慣れている度合いのほうである。

テレワーク導入47.3%が取次を難しくした

同じ調査で、テレワークを導入している企業の割合は47.3%だった。前年に続いて減少しているものの、半数近くが制度として持っている。

担当者が席にいない確率が上がると、代表電話は「つなぐ」より「預かる」比重が増える。伝言の精度と折り返しの管理が、交換の速さより重くなる。

この変化は、仕事を楽にする方向には働いていない。つなげば終わりだった電話が、記録して追いかける電話に変わったからだ。

よくある質問

電話交換手の求人はまだありますか

職種名を「電話交換」と明記した求人は少数です。日本標準職業分類でも電話交換手は小分類256「電話応接事務員」に含まれ、単独の区分を持ちません。実務としては、企業受付や総務事務の業務欄に「代表電話対応」として書かれている形が主流です。職種名ではなく業務欄で探すのが現実的です。

インフォメーションと受付は同じ仕事ですか

日本標準職業分類では、対面での受付・案内が主なら小分類254「受付・案内事務員」、電話が主なら256「電話応接事務員」に分かれます。施設のインフォメーションカウンターは前者、企業の代表電話専任は後者に寄ります。求人票の勤務場所の記載が判別材料になります。

未経験でも代表電話の仕事に就けますか

賃金構造基本統計調査で電話応接事務員の平均勤続年数は7.8年、平均年齢は43.6歳です。長く続ける人が多い一方、母数が17万9,540人と大きく、入れ替わりも一定数あります。必要になるのは電話の技術より組織を覚える速さで、入社後に配られる内線表と組織図を早く頭に入れられるかどうかが分かれ目になります。

代表電話の給料はどのくらいですか

代表電話に限った公的な統計はありません。電話応接事務員という区分にコールセンターオペレーターやテレフォンアポインターが同居しているため、区分全体の数字を代表電話の相場として読むことはできません。応募先ごとに求人票の額面を確認するしかない、というのが正確な答えです。

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出典

  • 総務省「日本標準職業分類」(平成21年12月統計基準設定)小分類254 受付・案内事務員/256 電話応接事務員 https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/shokgyou/kou_h21.htm
  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別・企業規模計10人以上 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html
  • 総務省「令和6年通信利用動向調査」(令和6年8月末時点・世帯有効回収15,304世帯・企業2,330社) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/250530_1.pdf

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この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

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