コールセンターSVの仕事内容と年収|なり方・きつさ・必要スキル

コールセンターのSV・管理者へのキャリアアップ|仕事内容・必要なスキル・給与

コールセンターのSV(スーパーバイザー)が受け持つコミュニケーターは、平均で8.93人である。日本コンタクトセンター協会(CCAJ)が2025年度に実施したコンタクトセンター企業実態調査の数字だ。

この8.93人が、3年連続で増えている。2023年度8.54人、2024年度8.83人、そして2025年度8.93人。

一見すると、現場が拡大して管理職ポストが増えているように読める。ただ、同じ調査の別の設問を開くと、増えているのは配置人数だけで、SVの数そのものは足りていないことがわかる。1人が見る人数が増えているのは、増員に補充が追いついていないからだ。

つまりSVは、需要が確実にあり、しかも現場が薄い役職ということになる。なりやすい、と言ってしまってよいのかどうか。そこを含めて、業界側の数字から順に開いていく。

目次

SVは電話に出ない管理職ではない。何を担っているのか

SVという呼び方は求人票では説明なしに使われることが多い。実際の職務範囲は会社によってかなり違うのだが、業界統計を並べると、その違いが生まれる場所は特定できる。

8.93人という配置が示す距離

CCAJの2025年度調査(対象109社・回答68社)では、1人のSVあたりのコミュニケーター数を「6~9人」と答えた企業が最も多く25社だった。非公開の8社を除いた60社の41.7%にあたる。次いで「10~14人」が18社(同30.0%)である。

1人のSVが担当するコミュニケーター数 2025年度の企業数 割合(非公開除く60社)
1~5人 10社 16.7%
6~9人 25社 41.7%
10~14人 18社 30.0%
15~19人 5社 8.3%
20~29人 2社 3.3%

7割強のセンターが、1人のSVに9人前後から14人までを預けている。1日に何度も同じ人と話せる規模ではなく、かといって顔と名前が一致しない規模でもない。応対の内容まで踏み込んで指導するには、この人数が上限に近いと考えるのが自然だろう。

教育と品質管理を兼ねているセンターが半数近くある

同じ調査に、専任スタッフの有無を尋ねた設問がある。

専任トレーナーが「いる」と答えた企業は68社中36社、「いない」が30社。専任のQC・QA担当者は「いる」が31社、「いない」が35社だった。つまり教育の専任者を置いていないセンターが44.1%、品質管理の専任者を置いていないセンターが51.5%ある。

これらのセンターで新人研修と応対品質のチェックを誰が担っているかというと、現場でその両方に接している役職はSVしかない。求人票に「SV候補」と書かれていても、実際には研修講師とモニタリング担当を兼ねる場合がある、という読み方になる。

兼務の範囲は会社の規模で変わる

CCAJ調査によれば、2025年度の回答68社が保有するコンタクトセンターは合計522カ所、1社平均7.7カ所である。一方で、総従業員数が「101人~300人」の企業と「1,001人~3,000人」の企業がそれぞれ12社で最多だった。規模の幅が10倍以上ある集団だということになる。

専任トレーナーの有無が半々に割れているのは、この規模差をそのまま映していると見るのが妥当だ。センターが1カ所しかない会社でトレーナーを専任にする余裕は生まれにくい。応募先を選ぶときは、SVの職務範囲を会社の規模と合わせて確認したい。

なぜSVはこれほど足りないのか

不足感が強い職種はほかにもある。ただ、SVは頭ひとつ抜けている。

87.9%という不足感は全職種で最も高い

CCAJ調査で職種ごとの過不足を尋ねた結果は次の通りである。非公開の2社を除いた66社が母数となる。

職種 不足している やや不足している 不足感の合計
スーパーバイザー 30社 28社 58社(87.9%)
コミュニケーター・オペレーター 18社 30社 48社(72.7%)
エンジニア(システム・IT) 14社 19社 33社(50.0%)
マネージャー・センター長 18社 18社 36社(54.5%)
トレーナー、QA/QC 13社 19社 32社(48.5%)

電話に出る人員が足りないという話はよく聞くが、その72.7%よりも、それを束ねる側の87.9%のほうが高い。オペレーターを採用できても、育てて回す側が組み上がらない状態にある。

「過剰気味」と答えた企業はゼロだった

この設問で注目したいのは、上の表に出てこない選択肢のほうである。5職種のいずれについても「過剰気味である」と回答した企業は1社もなかった。

人員が余っている職種がひとつもない、という結果は、業界がそろって薄い体制で回していることを示す。SVの椅子が空くのを待つ構図ではなく、椅子を用意しても座る人がいない構図だ。

採用難82.1%が、内部登用を押し上げている

採用活動の状況を答えた67社のうち、「苦労している」26社と「やや苦労している」29社を合わせた45社が採用難を訴えた。82.1%である。

外から採れないなら、中から上げるしかない。SVの補充が内部登用に寄るほど、オペレーターとして入った人が昇進の候補に入る確率は上がる。同じ調査で1人あたりの担当人数が3年連続で増えている事実と合わせると、登用のペースが現場の拡大に届いていないことになる。2年連続で回答した企業だけを追った平均でも、2024年度8.47人から2025年度8.69人へ動いた。企業の入れ替わりでは説明できない増え方をしている。

SVの年収は公的統計に出てこない。代わりに何が読めるか

ここが、SVを目指すときにいちばん確認しづらい部分である。

職種統計に「SV」という区分がない

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、コールセンターの従事者は「電話応接事務員」(電話交換手を含む職種区分)として集計される。この区分は役職別の内訳を持たない。SVの平均年収を直接示す公的統計は、現時点で存在しない。

代わりに使えるのが、同じ職種の中にある差である。

区分 きまって支給する現金給与額 年間賞与 年収換算 勤続年数 労働者数
男女計 295,200円 393,700円 約394万円 7.8年 179,540人
男性 342,400円 526,900円 約464万円 8.5年 60,190人
女性 271,500円 326,600円 約358万円 7.5年 119,350人

年収換算は「きまって支給する現金給与額 × 12ヶ月 + 年間賞与」で計算した。男女で106万円の差があるのに、勤続年数の差は1年しかない。

差が集中しているのは賞与のほうである

毎月の所定内給与額は男性322,300円・女性255,200円で6万7,100円の差、年間賞与は52万6,900円と32万6,600円で20万300円の差がある。所定内実労働時間は男性156時間・女性153時間とほぼ同じで、働いた時間の差では説明がつかない。

同じ職種・同じ勤続で、賞与にこれだけ差が出る要因として現実的なのは役職の分布である。統計そのものは役職別の内訳を持たないので断定はできない。ただ、SVの不足感が87.9%で「過剰気味」がゼロという業界側の数字と重ねると、役職に就いた層と就かない層で年収が分かれている、という読み方が最も無理がない。男女差そのものの分解はコールセンターの年収・給料の内訳で扱っている。

ここでの結論はひとつで、この職種で年収を動かす変数は勤続ではなく役職だということになる。時給に直すと見通しがよくなる。所定内給与額277,700円を所定内実労働時間154時間で割ると1,803円。パート・アルバイトの1,363円との差は440円で、この差の内側に賞与と役職の期待値が入っている。

正社員の枠自体は増えている

CCAJ調査には、2024年度と比較できる企業に絞った従業員数の推移が載っている。総従業員数は50社で269,560人から264,151人へ5,409人減った。ところが正規社員数は、47社で38,916人から40,977人へ2,061人増えている

総数が減って正社員だけが増えているのは、非正規の枠を絞りながら中核人員を厚くしている動きに見える。SVはその中核側に含まれる役職である。業界全体の売上が前年度比4.8%減(公開47社の合計1兆5,260億3,400万円)という縮小局面でこの動きが出ていることは、押さえておきたい。

SVになるまでに何年かかるのか

年数の目安も、公的統計に直接の答えはない。ただ、周辺の数字から幅は絞れる。

平均勤続7.8年という時間軸

電話応接事務員のフルタイム勤務者は平均勤続7.8年、平均年齢43.6歳である。パート・アルバイトは平均勤続5.7年、平均年齢50.2歳。この職種は短期で入れ替わる集団ではない。

SVが在籍者の中から選ばれるなら、候補になるのは勤続数年以上の層ということになる。9人前後を任せる役職に、入社半年の人を充てる運用は考えにくい。逆に、10年以上かかるのだとしたら平均勤続7.8年の集団からSVが供給されなくなるので、実務上の目安は数年の範囲に収まる。

直接雇用か派遣かで、登用の入り口が変わる

CCAJ調査で雇用状況を答えた67社のうち、「直接雇用の方が派遣より多い」が52社で77.6%を占めた。ただし派遣を何らかの形で活用している企業は59社(88.1%)に達し、「直接雇用のみ」は8社にとどまる。

さらに、総従業員数に占める正規社員の割合が5割未満の企業は、非公開12社を除いた56社中38社(67.9%)だった。多数派のセンターでは、働いている人の半分以上が正規社員ではない。

派遣スタッフとして入った場合、SVへの登用は派遣元と派遣先の両方の事情に左右される。同じ現場で同じ電話を取っていても、雇用形態によって昇進の経路が別物になる。応募の段階で直接雇用かどうかを確認する意味は、時給よりむしろここにある。

未経験からの距離

採用に苦労している企業が82.1%という状態なので、入り口そのものは広い。ただし、そこからSVまでの距離は会社ごとに違う。専任トレーナーがいない30社では、新人教育がSVの職務に含まれる。教える側に回る前提で研修を受けるかどうかで、必要な準備は変わる。未経験からの入り方はコールセンター未経験デビューの流れで整理した。

SVの「きつさ」は、どの数字に表れているか

不足しているポジションには、たいてい不足する理由がある。SVの場合、負荷の中身が業界データにそのまま出ている。

在宅が6割に広がり、管理の難度が上がった

CCAJ調査で在宅オペレーションを「既に実施している」と答えたのは39社で、非公開を除く65社の60%にあたる。2023年度31社、2024年度35社と増えてきた。

在宅のコミュニケーターが混ざると、SVの仕事は変質する。隣の席で表情を見て気づくという手が使えなくなり、応対の記録とシステム上の指標で判断する比重が上がる。

在宅を入れない会社が挙げる理由に、その難度が出ている

「実施予定はない」と答えた22社の理由(複数回答)は次の通りである。

在宅を実施しない理由 2025年度 2024年度 2023年度
セキュリティ上の問題 81.8% 77.8% 78.3%
クライアントの要望 54.5% 33.3% 26.1%
労務管理上の問題 50.0% 55.6% 43.5%
品質管理上の問題 45.5% 40.7% 39.1%
社則・規定上不可 36.4% 25.9% 34.8%
現場マネジメントが困難 31.8% 66.7% 47.8%

労務管理50.0%、品質管理45.5%、現場マネジメント31.8%。この3項目は、いずれもSVの職務そのものを指している。企業が在宅を見送る理由の半分近くは、SVが担う仕事が在宅では回りにくいという判断である。すでに在宅を導入している60%のセンターでは、その回りにくさをSVが引き受けている。

見るチャネルが増え続けている

2025年度に提供しているチャネルは、電話が65社(95.6%)、eメールが55社(80.9%)、Webフォームが47社(69.1%)。有人チャットは55.9%、チャットボットは48.5%、AIボイスボットは35.3%だった。

業務の増減を見ると、メールやチャット等のテキスト業務は「昨年度より増加した」が28社で、テキスト業務を行っていない企業を除く62社の45.2%を占める。自動応答による業務も「増加した」が21社で、実施企業50社の42%だった。同じ期間に電話業務は「減少した」19社が「増加した」16社を上回っている。

電話が減ってテキストと自動応答が増えるとき、SVの管理対象は「1人が何本取ったか」から「複数チャネルにまたがる処理量と、自動応答で解決しなかった分の受け皿」へ広がる。応対品質の測り方そのものを組み替える必要が出てくる。クレームの一次対応も、この受け皿側に集まりやすい。基本の流れはクレーム対応のコツにまとめている。

SVの先にある役職は、どのくらい空いているのか

SVを通過点として考えるなら、その上の空き具合も見ておきたい。

マネージャー・センター長の不足感は54.5%

先の過不足の表で、マネージャー・センター長は「不足している」18社と「やや不足している」18社の合計36社、66社中54.5%だった。SVの87.9%ほどではないが、半数を超えている。

不足の度合いがSVより低いのは、必要人数が少ないからでもある。1社平均7.7カ所のセンターに対して、SVは1カ所に複数人いる。ポストの数がそもそも違う以上、同じ不足率で比べる意味は薄い。それでも半数の企業が不足を訴えている状態は、SVの上が詰まっていないことを示している。

女性管理職の比率は、まだ2割前後に張りついている

CCAJ調査で全管理職(課長級以上・役員を除く)に占める女性比率を尋ねたところ、「11~20%」が18社で最多、次いで「21~30%」が15社だった。女性役員の比率では「0%」が37社で、非公開を除いた62社の59.7%を占める。

一方、電話応接事務員のフルタイム勤務者17万9,540人のうち女性は11万9,350人で、66.5%を占める。現場の3人に2人が女性で、管理職では2割前後。この落差が、賞与の男女差20万300円の背景にある構造だと考えると説明がつく。裏を返せば、この層の登用余地は残っている。

残る6万190人の男性側は、人数では3人に1人でありながら年収では106万円上に来る。この人数と賃金のねじれはコールセンターで働く男性の人数構成と年収で分解した。

求人票でSV職を見分けるとき、どこを確認するか

ここまでの数字は、そのまま求人票のチェック項目に置き換えられる。

確認する4点と、その順番

  1. 担当するコミュニケーターの人数が書かれているか。業界平均は8.93人で、6~9人が41.7%、10~14人が30.0%。15人以上と書かれていれば上位1割強の負荷になる。
  2. 専任トレーナー・専任QAがいるか。いない会社が44.1%と51.5%あり、その場合は研修とモニタリングがSVの職務に入る。
  3. 在宅オペレーターを抱えているか。実施企業は60%。在宅を管理する体制(記録の取り方、指標の置き方)が用意されているかで、負荷がまったく違う。
  4. 直接雇用か派遣か。直接雇用が多数派の企業は77.6%だが、派遣を併用する企業は88.1%ある。SV自身の雇用形態と、部下の雇用形態の両方を確認したい。

この4点のうち、求人票に書かれていることが多いのは3番目と4番目である。1番目と2番目は面接で聞くことになるが、答えられない会社は職務範囲を決めずに募集していると判断してよい。

条件を絞って探す場合はSV・管理者の求人から、雇用形態や勤務地で並べ替えられる。

よくある質問

コールセンターのSVは何人くらいのオペレーターを担当しますか

CCAJの2025年度調査(回答68社)では平均8.93人でした。分布では「6~9人」が最も多く25社(非公開を除く60社の41.7%)、「10~14人」が18社(同30.0%)です。この平均は2023年度8.54人、2024年度8.83人と3年連続で増えています。

SVになるとどのくらい年収が上がりますか

賃金構造基本統計調査は役職別の内訳を持たないため、SVの平均年収を示す公的統計はありません。ただし同じ「電話応接事務員」の中で、毎月の所定内給与額に6万7,100円、年間賞与に20万300円の男女差があり、勤続年数の差は1年しかありません。この差の主な説明が役職の分布である以上、役職手当と賞与の両方が動くと考えるのが妥当です。

未経験からSVになれますか

SVの不足感が87.9%、採用に苦労している企業が82.1%という状態なので、内部登用の圧力は強い状態にあります。ただし平均勤続年数はフルタイムで7.8年です。オペレーターとして数年の実務を経てから、という経路が現実的でしょう。

SVの仕事は電話に出ないのですか

会社によります。専任トレーナーがいない企業が68社中30社、専任QC・QA担当者がいない企業が35社あり、その分の業務はSVが引き受けます。応対そのものより、エスカレーションと品質チェックで受話器を取る場面が多くなります。

在宅勤務のSVはありますか

在宅オペレーションを既に実施している企業は65社中39社(60%)です。ただし在宅を見送る企業が挙げる理由には「労務管理上の問題」50.0%、「品質管理上の問題」45.5%、「現場マネジメントが困難」31.8%が並びます。SV業務そのものの在宅化は、オペレーターの在宅化より遅れていると見るのが自然です。

次に読む

出典

  • 一般社団法人日本コンタクトセンター協会「2025年度 コンタクトセンター企業 実態調査」(対象109社/回答68社/回収率62.4%/2025年6月16日〜7月23日実施) https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/outsourcing_research_2025.pdf
  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計・企業規模計10人以上)/短時間労働者 職種別1時間当たり所定内給与額 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html

LINEで受付・コールセンター求人を無料相談

友だち追加で、あなたに合った受付・コールセンター求人の相談・新着通知が受け取れます。

LINE友だち追加して無料相談

受付キャリアナビ(運営:求人アグリ研究所)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

目次