眼科・整骨院の受付の仕事内容|検査の回数と受領委任の違い

眼科・整骨院の受付の仕事内容|違い・1日の流れ・向いている人と未経験の始め方

眼科と整骨院は、求人サイトでは同じ「受付」の欄に並ぶ。窓口に立って人を迎え、会計をして、書類を回す。作業の見た目はよく似ている。

似ていないのは、その会計が乗っている制度のほうだ。眼科は保険医療機関で、診療報酬点数表に沿って算定する。整骨院は施術所で、療養費という別の枠組みで動く。受付・会計・レセプトという共通の枠組みは医療機関の受付に共通する仕事内容に整理してあるが、整骨院はその枠から半分外れる。

どちらを選ぶかで、覚える制度が入れ替わる。

目次

眼科と整骨院は、別の制度で動いている

保険診療と療養費は、支払いの経路が違う

厚生労働省の資料によると、療養費は本来、患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求して支給を受ける「償還払い」が原則である。柔道整復についてはその例外として、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められている。

窓口の見え方は保険診療とよく似る。患者は一部だけ払って帰る。ただし裏で動く仕組みは別物で、請求先も書式も違う。眼科でレセプトを覚えた人が整骨院に移っても、同じ手順は使えない。

施術所50,924か所は、眼科8,222施設の6倍ある

求人の母数は整骨院側が大きい。

令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)によると、令和6年末現在の柔道整復の施術所は50,924か所で、前回から8か所の増加にとどまった。就業柔道整復師は78,666人で1,034人(1.3%)増えている。はり及びきゅうを行う施術所は35,494か所で、前回から1,604か所(4.7%)増えた。

一方、令和5年医療施設(静態・動態)調査で一般診療所が眼科を標ぼうする施設は8,222で、一般診療所総数104,894の7.8%。令和2年の8,244から22施設減っている。施設数だけを並べれば、整骨院は眼科の6.2倍ある。

施術所の数は横ばいで、伸びているのははり・きゅうの側である。求人を探すときの母数は、この向きの違いで変わっていく。

眼科の窓口は、検査の回数と来院歴を管理する

月1回に限られる検査が並んでいる

令和6年度診療報酬改定による医科診療報酬点数表では、眼科学的検査がD255からD282-2まで並ぶ。区分は41あり、削除された2区分を除くと39になる。

そのうちいくつかには、算定回数の制限が付いている。

検査 点数 算定の制限
汎網膜硝子体検査(片側) 150点 月1回
眼底三次元画像解析 190点 月1回
光干渉断層血管撮影 400点 月1回
角膜形状解析検査 105点 月1回
前眼部三次元画像解析 265点 月1回

いずれも「患者1人につき月1回に限り算定する」とされ、併せて行った関連検査の費用が所定点数に含まれる場合もある。同じ患者が同じ月に2回来れば、2回目の会計は1回目と同じ内訳にならない。

コンタクトレンズ目的の再来は、初診料を算定しない

眼科の会計で特に扱いが独特なのが、D282-3のコンタクトレンズ検査料である。点数はコンタクトレンズ検査料1が200点、2が180点、3が56点、4が50点。施設基準の届出の有無で、どの区分になるかが分かれる。

制限も付いている。この検査料を算定する場合、初診料の注9および再診料の注7に規定する夜間・早朝等加算は算定できない。さらに、当該保険医療機関または特別の関係にある保険医療機関で過去にコンタクトレンズの装用を目的に受診したことのある患者について当該検査料を算定した場合は、初診料を算定せず、再診料または外来診療料を算定するとされている。

つまり「この人は前にコンタクトで来たことがあるか」を確かめないと、初診料を取るかどうかが決まらない。受付が過去のカルテを引くのは、記録の整理のためではなく、その日の会計を組むためである。

整骨院の会計は、受領委任の条件で決まる

保険が使えるのは骨折・脱臼・打撲・捻挫

厚生労働省の案内によると、柔道整復の施術で保険の対象になるのは、骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)の施術を受けた場合である。骨折と脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意が必要とされている。

対象にならない場合も明示されている。単なる肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象にならず、全額自己負担になる。また、保険医療機関で同じ負傷等の治療中は、施術を受けても保険等の対象にならない。

受付から見ると、来院した人の申し出をそのまま保険扱いにできない場面がある。整形外科に通いながら整骨院にも来ている患者は、同じ負傷であれば療養費の対象から外れる。整形外科側の窓口業務は整形外科・外科の受付の仕事内容で扱っているが、両方の制度が交差する位置に整骨院の受付は立っている。

患者のサインをもらうところまでが手順に入る

同じ案内は、施術を受けるときには必要書類に患者本人のサインをもらうことが必要だと記している。受領委任は、患者が請求を柔道整復師に委ねる仕組みなので、その委任の意思を書面で残す必要がある。

書類を出し、内容を説明し、署名を受け取る。この一連が来院のたびに発生する。医科の窓口が保険証を機械に通して終わるのとは、作業の性質が違う。

眼科に来る患者は、学校健診のあとにまとまる

小学校36.07%、中学校59.35%が裸眼視力1.0未満

文部科学省の令和7年度学校保健統計によると、裸眼視力1.0未満の者の割合は小学校36.07%、中学校59.35%、高等学校71.51%だった。健康状態の調査は令和7年4月1日から6月30日の間に実施された学校の健康診断の結果に基づいており、対象は全幼児・児童・生徒の25.4%にあたる3,143,588人である。

中学生の6割近くが該当する。学校で視力を指摘された子どもが眼科に来る時期は、健診が行われる4月から6月に寄る。年間で均されない山が、この科にはある。

外来333.7千人の82.8%が診療所に来ている

令和5年患者調査によると、調査日に「眼及び付属器の疾患」で外来を受けた推計患者数は333.7千人。うち一般診療所が276.3千人で82.8%を占め、病院は57.4千人にとどまる。外来受療率(人口10万対)は268で、男210・女323と女性が高い。

総患者数は8,999千人で、調査日の外来患者数の27.0倍にあたる。総患者数は平均診療間隔を用いて推計されるため、この倍率が大きいほど通院の間隔が長い。数か月に1回のペースで長く通う患者が、層として厚いということである。学校健診の山と、静かに続く定期通院。眼科の窓口はこの2つを同時に抱える。

給料は職場の種類ではなく、担当する範囲で動く

統計に眼科受付・整骨院受付という区分はない

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査に「医療事務」という職種区分はなく、窓口業務は担当範囲に応じて別の区分に振り分けられる。

統計上の職種 正社員の年収換算 パートの時給 平均勤続
受付・案内事務員 356万円 1,231円 8.6年
会計事務従事者 509万円 1,593円 12.7年
その他の保健医療サービス職業従事者 323万円 1,281円 6.4年

いずれも全産業の平均で、眼科と整骨院を分けた集計は存在しない。どちらが高いという裏づけはない。差がつくのは職場の種類ではなく、レセプトや療養費の請求まで持つかどうかである。条件から絞るなら眼科を含む医療・クリニック受付の求人一覧で勤務形態を指定できる。

よくある質問

眼科と整骨院では、どちらが未経験向きですか

覚える制度が違うので、量では比べにくい。眼科は診療報酬点数表の眼科学的検査と算定回数、整骨院は療養費の受領委任と支給対象の範囲になる。施設数は柔道整復の施術所50,924か所に対し、眼科を標ぼうする一般診療所8,222施設で、母数は整骨院側が大きい。

整骨院の受付でも医療事務の知識は使えますか

一部は重なるが、そのままは使えない。整骨院は療養費の受領委任で動いており、保険医療機関のレセプトとは請求の経路も書式も違う。保険の対象が骨折・脱臼・打撲・捻挫に限られる点も、医科の窓口とは判断の入口が異なる。

眼科の受付は検査もするのですか

検査は医師または有資格の担当者が行う。窓口が扱うのは、算定回数の制限がある検査を把握しておくことと、コンタクトレンズ目的の受診歴を確認することになる。過去にコンタクトの装用を目的に受診した患者は、初診料ではなく再診料または外来診療料を算定する扱いになる。

肩こりで来た患者に保険は使えますか

使えない。厚生労働省の案内は、単なる肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象にならず全額自己負担になると明記している。保険医療機関で同じ負傷等の治療中の場合も対象外になる。

次に読む

出典

  • 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定 別表第一 医科診療報酬点数表」(眼科学的検査D255〜D282-2・コンタクトレンズ検査料D282-3)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001251499.pdf
  • 厚生労働省「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」(受領委任・支給対象・保険が使えない場合)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html
  • 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(令和6年末現在/施術所数・就業者数)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/24/index.html
  • 文部科学省「学校保健統計調査 令和7年度の結果の概要」(健康状態の抽出率25.4%・3,143,588人)https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/kekka/k_detail/2025.htm
  • 厚生労働省「令和5年患者調査の概況」(令和5年10月実施)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/23/index.html
  • 厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査の概況」(診療科目別は重複計上)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/23/
  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上・産業計)https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html

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この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

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