コールセンターの志望動機|履歴書の例文と未経験の面接対策

コールセンターの志望動機・面接対策|未経験の例文とよく聞かれる質問

結論から書く。コールセンターの志望動機に書くべきなのは、電話が好きかどうかではなく、そのセンターのどの業務を自分が処理できるかである。

ここで採用側の事情を挟んでおきたい。日本コンタクトセンター協会(CCAJ)が2025年度に実施したコンタクトセンター企業実態調査によると、採用活動の状況を答えた67社のうち45社、82.1%が採用に苦労していると答えている。

8割が人を採れていない。それなのに志望動機で落ちる人がいる。この2つは噛み合わないように見える。噛み合わないのは、コールセンターの選考が「採るかどうか」だけを決める場ではないからだ。

目次

8割が採用難なのに志望動機で落ちるのは、選考が配属も決めているから

コールセンターの求人に応募すると、面接の場で業務の説明を受ける。その説明の内容が人によって違う、ということが起きる。

理由は単純で、同じ会社が複数のクライアントから業務を請け負っているためである。

1社が3業種以上のクライアントを抱えている

CCAJ調査でクライアントの業種を尋ねた項目(複数回答)では、「サービス業」が50社で73.5%、「通信販売業」が44社で64.7%、「金融・保険業」が43社で63.2%だった。回答は68社なので、多くの企業が複数業種を並行して受けていることになる。

受託しているセンター業務の内訳も幅がある。カスタマーサポートが64社(94.1%)、問い合わせ受付が61社(89.7%)、受注センターが47社(69.1%)、商品勧誘等が37社(54.4%)である。

つまり応募先の会社に入ることと、どの電話を取ることになるかは、別の話として決まる。

志望動機は「置き場所」を決める材料として読まれる

採用に苦労している企業が82.1%あるということは、応募の段階で門前払いにする余裕が小さいということでもある。それでも選考が形式にならないのは、採ったあとに配属を決める必要があるからだ。

金融の問い合わせ窓口と、通販の受注センターと、通信機器の故障切り分けでは、必要な素養が違う。志望動機に「人と話すのが好きです」とだけ書かれていると、配属の判断材料が一つも増えない。

採ってくださいと書くより、この業務なら回せますと書いたほうが通るのは、この構造から来ている。

志望動機を書く前に、求人票から3つの事実を確定させる

書き始める前に決めておくことがある。応募先がどういうセンターなのかを、求人票の記載から絞ることだ。ここを飛ばすと、どの会社にも出せる文章にしかならない。

受信か発信かで、書くべき素養が入れ替わる

CCAJ調査で電話業務の受信と発信の比率(売上ベース)を尋ねた結果では、非公開を除く67社のうちインバウンド中心が57社で85.1%、アウトバウンド中心は9社で13.4%だった。

求人の多数派は、かかってきた電話を受ける仕事である。受信なら「聞き取って処理する」側の経験を、発信なら「断られてから続ける」側の経験を書くことになる。この2つは求められる耐性が違う。違いの中身はインバウンドとアウトバウンドの違いで分解している。

相手が個人か法人かで、説明の型が変わる

同調査で電話の相手を尋ねた項目では、「B to Cのみ」4社と「B to Cの方が多い」43社を合わせた47社が、非公開を除く67社の70.1%を占めた。「B to Bの方が多い」は12社、「B to Bのみ」は2社である。

7割が個人相手ということは、前提知識のない相手に噛み砕いて説明する場面が主になるということだ。専門用語を知っていることより、言い換えられることのほうが先に要る。

直接雇用か派遣かで、聞かれることが変わる

コミュニケーターの雇用状況を答えた67社のうち、「直接雇用の方が派遣より多い」が52社で77.6%。ただし派遣を何らかの形で活用している企業は59社、88.1%に達する。

派遣活用の理由は「一時的な人材不足の解消」が88.1%で最多だった。案件の増減を吸収する枠として置かれているということなので、派遣枠の面接では稼働開始日と稼働可能期間が先に確認される。

3点を表にするとこうなる。

求人票で確認する項目 業界全体の内訳 志望動機に書く内容
受信か発信か 受信中心85.1%・発信中心13.4% 聞き取り中心の経験か、断られ続ける耐性か
相手は個人か法人か 個人中心70.1%・法人中心20.9% 噛み砕いた説明の経験か、業務知識か
直接雇用か派遣か 直接雇用が多い77.6%・派遣活用88.1% 長く続ける根拠か、稼働可能な時期と期間か

3つとも求人票の職種名からは読み取れない。募集要項の業務内容欄と、雇用形態欄を照らして決める。

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埋もれる志望動機に共通する3つのパターン

書かれている内容が悪いというより、コールセンターの実務とずれている、という形で弱くなる。

パターン1:話す仕事だと思って書いている

「人と話すことが好きで、電話対応にはやりがいを感じます」

この一文が弱いのは、コールセンターの一件が話す時間だけで終わらないからだ。実際の応対は、着信を受けて用件を聞き、顧客情報を検索し、回答し、電話を切ったあとに応対内容をシステムへ入力するところまで含む。最後の入力が「後処理」と呼ばれる工程で、契約変更を伴う案件なら通話3分に対して入力5分ということも起きる。

話すのが好きという申告は、この工程の半分にしか答えていない。

パターン2:電話の得意・不得意を性格の話にしている

「電話応対が得意です」と書いても、面接で聞かれるのは「何件くらい取っていましたか」「取り次ぎと一次回答のどちらでしたか」である。性格の申告は事実で裏づけられない限り、確認のしようがない。

逆に、電話経験がない場合に「電話は苦手ですが頑張ります」と書く必要もない。CCAJ調査の対応チャネル別の実施状況では、eメールに対応している企業が80.9%、有人チャットが55.9%ある。テキスト中心の枠が実在するので、苦手を宣言するより、そのチャネルを希望すると書くほうが噛み合う。

パターン3:シフトと勤務日数に触れていない

コールセンターは営業時間が決まっており、時間帯ごとの人員配置で回っている。応募者がいつ入れるかは、志望の強さと同じくらい直接的に選考へ効く。

それでも志望動機の欄でこれに触れる人は少ない。書かないままだと、面接で条件をすり合わせる段階になって初めて食い違いが出る。「土日は入れません」を先に出したほうが、結果的に話が早い。

3つを並べると、共通しているのは業務の形に合わせて書いていないという一点である。好き嫌いではなく、処理できる工程と入れる時間帯で書けば、この3つは同時に外れる。

通る志望動機は3つの要素でできている

要素を分けて考える。順に置いていけば、上の3パターンは避けられる。

要素1:なぜこのセンターなのか

会社名ではなく、業務の種類を指して書く。「通販の受注」「通信サービスの問い合わせ」「保険の契約内容の照会」といった粒度まで下ろすと、志望先を調べていることが自動的に伝わる。

求人票に業務が具体的に書かれていない場合は、クライアント業種の上位3つ(サービス業・通信販売業・金融保険業)のどれに近いかを、募集要項の言い回しから推測して書く。外していても、面接で訂正されるだけで減点にはなりにくい。

要素2:過去の経験を「聞き取り」と「入力」に分解する

コールセンターの業務は、相手の用件を正確に取ることと、それを記録に残すことの2つに分けられる。未経験でも、前職のどこかが必ずどちらかに当たる。

  • 販売職なら、レジ操作と在庫入力が「入力」に対応する
  • 飲食なら、注文の復唱と伝票起票が両方にまたがる
  • 事務職なら、電話取次と来客対応が「聞き取り」に対応する
  • 介護や医療の現場なら、申し送りの記録が「入力」に対応する

翻訳するときは、作業名を並べるだけで止めない。そこで何を判断していたかまで書くと、応対の再現性を示せる。用件を最後まで聞かずに処理して間違えた経験があるなら、それも材料になる。

要素3:入れる時間帯と日数を先に出す

シフトの希望は、意欲の表明より信用される。「平日9時から17時、週4日から勤務可能です」と書けば、配置の検討にそのまま乗る。

3要素のうち、未経験者が最も落としがちなのは2番目である。前職と電話業務がつながらないと思い込んで、要素1と3だけで終わってしまう。実際には、記録を残す仕事をしたことのない職種のほうが少ない。未経験からの入り方の全体像はコールセンター未経験デビューにまとめている。

履歴書に貼れる例文(業務タイプ別5本)

履歴書の志望動機欄は200字から300字が目安になる。3要素を各1文で書けば収まる。以下は業務タイプごとの例で、いずれも要素1・2・3の順に並べている。

カスタマーサポート(受信)

前職の携帯販売では、契約内容の変更と料金の説明を1日20件前後担当し、その場で端末に入力するところまで一人で行っていました。説明の途中でお客様の表情が変わったときは、専門用語を言い換えて確認し直すようにしていました。御社が受託されているサービスの問い合わせ窓口でも、この聞き直しの部分が使えると考えています。平日は9時から18時、週5日で勤務できます。

聞き直しという具体的な動作を入れている点が効く。「丁寧に対応しました」では確認できないが、これは確認できる。

通販・受注センター

飲食店のホールで、ピーク時に10卓分の注文を復唱しながら伝票に起票する業務を3年続けました。聞き間違いを減らすため、注文を受けた順ではなく卓ごとにまとめて復唱する手順に変えたところ、返品が減りました。受注業務も同じく、聞き取りと入力の正確さが数字に出る仕事だと理解しています。土日を含む週4日から勤務可能です。

受注は成果が件数で出る業務である。前職で数字を動かした経験があれば、短くても書いたほうがいい。

テクニカルサポート・ヘルプデスク

社内の総務職として、パソコンの設定やプリンタの不具合について社員から相談を受け、対処と記録を担当していました。原因を切り分けるために、まず何をしたときに起きたかを順に聞き取る手順を自分の中で決めていました。御社のヘルプデスクは個人のお客様が対象と伺い、この切り分けの手順を言葉を変えて使えると考えています。

ヘルプデスクは切り分けの手順を持っているかが問われる。前職が社内対応でも、手順を言語化できていれば通用する。

テレアポ・発信

前職の保険代理店では、既存のご契約者に更新の案内を電話で行っていました。1日60件かけて話を聞いていただけるのは10件前後で、断られること自体は業務の一部だと考えています。反応の薄い時間帯を記録して、かける時間を昼と夕方に寄せる工夫をしていました。御社の案内業務でも、この記録と調整の部分から入りたいと考えています。

発信は断られる前提の仕事なので、耐性を宣言するのではなく、断られた事実の扱い方で示す。件数を書けるなら書いたほうが早い。

在宅コールセンター

前職では事務職として、社内システムへの入力と電話取次を担当していました。自宅には有線接続の環境と独立した作業部屋があり、日中に家族が在宅しない時間帯を確保できます。御社が在宅での応対を実施されていると伺い、通勤時間を業務に回せる働き方を希望して応募しました。平日10時から16時、週4日で勤務できます。

在宅は環境要件の確認が選考の一部になる。回線と作業スペースを先に書くと、面接1回分の確認が省ける。在宅勤務の実際は在宅コールセンターの始め方で整理している。

5本を並べると、評価される軸が業務ごとに違うことが見える。

業務タイプ 評価される軸 要素2に置くもの
カスタマーサポート(受信) 聞き直しの精度 説明を言い換えた経験
通販・受注センター 正確さと速さ 復唱と記録の手順を変えた経験
テクニカルサポート 切り分けの手順 原因を順に潰した経験
テレアポ・発信 断られたあとの調整 件数と、かけ方を変えた記録
在宅コールセンター 作業環境 回線と作業スペースの条件

応募先がどれに当たるかを決めてから、要素2に何を置くかを選ぶのが順番として正しい。同じ経験でも、どの軸に寄せて書くかで通り方が変わる。

面接で聞かれることは、ほぼ4つに絞られる

志望動機を出したあとに来る質問は、業務の性質から逆算するとおおよそ決まっている。答えの根拠を先に持っておきたい。

転職理由を聞かれたとき

志望動機と転職理由は分けて用意する。前職への不満を並べると、志望動機に書いた勤務条件の話と矛盾して見える。

事実だけを短く述べて、続きを志望動機側に寄せるのが扱いやすい。「シフトが月ごとに変わる勤務で、生活時間を固定できなかった」は事実であり、「平日9時から18時で固定して働きたい」につながる。

クレーム対応の経験を聞かれたとき

未経験でも聞かれる。経験がない場合は、対応した場面ではなく、怒っている相手の話を最後まで聞いた経験を探す。

コールセンターのクレーム対応は、謝罪の言葉より、用件を特定して社内の誰に渡すかを判断する部分が中心になる。前職で判断して渡した経験があれば、それを話したほうが噛み合う。応対の基本はコールセンターのクレーム対応のコツで扱っている。

希望する給与を聞かれたとき

根拠のない数字を言わないために、全国平均を持っておく。厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、コールセンターのオペレーターが含まれる「電話応接事務員」の平均は、フルタイムで年収換算約394万円、パート・アルバイトで時給1,363円である。

パート側の平均年齢は50.2歳、勤続5.7年。この1,363円は、経験を積んだ層を含む平均値ということになる。未経験からの入職時に同額を求めるなら、その根拠を別に用意する必要がある。内訳はコールセンターの年収・給料で分解した。

逆質問で何を聞くか

聞く内容によって、入ったあとの負荷がある程度読める。CCAJ調査には、そのまま質問に変換できる項目がいくつかある。

  1. SVは1チーム何人に1人か。同調査によるとスーパーバイザー1人あたりのコミュニケーター数は平均8.93人で、2023年度8.54人、2024年度8.83人と3年連続で増えている。平均より薄ければ、判断に迷う電話を一人で抱える時間が長くなる。
  2. 専任のトレーナーがいるか。専任トレーナーが「いる」と答えた企業は36社、「いない」は30社(非公開2社)でほぼ半々である。研修ありという記載だけでは判別できない。
  3. 配属先の案件は決まっているか。決まっていない場合、入社後に業種が変わる可能性がある。

3つとも、答えが数字で返ってくるかどうかで現場の整理度が見える。「だいたい」「案件による」で終わる場合は、入ってから確認する項目が増えると考えておいたほうがいい。募集の条件から絞りたい場合はカスタマーサポート(受信)の求人で雇用形態や勤務時間を照らせる。

よくある質問

履歴書の志望動機は何文字くらい書けばいいですか

履歴書の欄に収まる200字から300字が目安になる。3要素を各1文で書けば収まる分量である。欄が大きい書式でも、埋めるために抽象的な意欲を足すと薄く見える。書ける事実がないなら短いままにしておく。

未経験でも志望動機は通りますか

CCAJ調査で採用に苦労している企業は67社中45社、82.1%に達している。入り口そのものは広い。ただし専任トレーナーがいる企業は36社、いない企業は30社と分かれているため、入りやすさと入ったあとの支えは別に確認したい。

テレアポの面接は受信の面接と違いますか

聞かれる中心が変わる。発信中心の企業は非公開を除く67社中9社(13.4%)と少数派で、募集の多くは成果が件数で管理される。前職の件数と、断られたあとにどう続けたかを具体的に用意しておくと噛み合う。

志望動機に「土日は働けません」と書いていいですか

書いたほうがいい。コールセンターは時間帯ごとの人員配置で回るため、入れる曜日と時間は配属の判断に直結する。伏せておくと、面接の後半か入社後に食い違いが出る。

転職理由と志望動機は同じ内容でいいですか

分けて用意する。転職理由は前職で起きた事実、志望動機は応募先で処理できる業務を書く。同じ文章にすると、どちらかが薄くなる。前職の不満をそのまま志望動機に転用しないことだけ守れば、内容が近くても問題は出にくい。

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出典

  • 一般社団法人日本コンタクトセンター協会「2025年度 コンタクトセンター企業 実態調査」(対象109社・回答68社・回収率62.4%・2025年6月16日〜7月23日実施) https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/outsourcing_research_2025.pdf
  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)/短時間労働者 職種別1時間当たり所定内給与額(企業規模計10人以上) https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html

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この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

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