英会話スクール・語学教室の受付の仕事内容|体験レッスンと契約

英会話スクール・語学教室の受付の仕事内容|1日の流れ・向いている人・未経験の始め方

英会話スクールの受付は、問い合わせと体験レッスンの申し込みを受け、カウンセリングで通う目的とレベルを聞き取り、契約の手続きを行い、通い始めたあとのレッスン予約と変更を扱う。

求人票では「受付」「スクールスタッフ」「カウンセラー」と名前が揺れるが、共通しているのは、体験レッスンに来た人と契約を結ぶところまでが窓口の仕事に入っている点である。

経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2024年の外国語会話教室の新規入学生数は12万348人、事業所数は3,869だった。1事業所あたりに直すと年間31.1人、月にすればおよそ2.6人になる。体験レッスンの1件が持つ重みは、この数字から逆算するとわかりやすい。

目次

受付の仕事は、体験レッスンから契約までを含む

1教室あたりの新規入学は月2〜3人

年間31.1人という水準は、毎日のように契約が決まる仕事ではないことを示している(調査対象企業の集計値で、母集団への復元は行っていない)。同じ調査でレッスンの延べ開設数は415万2,111回、1事業所あたり年間およそ1,073回になる。レッスンは毎日動いているのに、新しく入る人は月に2人か3人という比率になる。

窓口の日常は予約と変更で埋まり、そこに月数回、契約の場面が挟まる。この2つは求められる動き方がまったく違う。

新規入学は3月と4月に集中する

2024年の月別の新規入学生数を並べる。

新規入学生数(人)
1月 10,779
3月 14,576
4月 14,522
8月 8,637
11月 8,211
12月 6,496

3月は12月の2.24倍にあたる。年度の変わり目に体験レッスンの申し込みが集まり、契約の手続きもこの時期に固まる。山が春に1つ立つ形は、夏と冬に2つ立つ学習塾とは違う。

1事業所あたりの従業者は1.7人

同じ2024年の数値で、従業者数は6,554人(正社員2,693人・パート等3,861人)、講師数は8,806人(専任2,566人・非常勤6,240人)だった。事業所3,869で割ると、従業者は1教室あたり1.69人、講師は2.28人になる。

受付が1人で窓口を回す時間帯がある前提で業務が組まれている、と読める体制である。電話と来客と体験レッスンが重なったときに、誰かが代わりに出るとは限らない。

契約の手続きは、法律で書式まで決まっている

語学教室は特定継続的役務にあたる

消費者庁の特定商取引法ガイドによれば、語学教室は特定継続的役務として指定された7つの役務の一つである。対象になるのは、期間が2か月を超え、契約金の総額が5万円を超えるもの。総額には入学金・受講料・教材費・関連商品の代金が含まれる。

渡す書面は2枚ある

法第42条により、契約の締結前に「概要書面」を、締結後に遅滞なく「契約書面」を交付しなければならない。記載事項は、役務の内容、対価と支払時期、提供期間、クーリング・オフに関する事項、中途解約に関する事項など。書面をよく読むべきことは赤枠の中に赤字で書き、文字は8ポイント以上と定められている。

体験レッスンの直後に契約の話をする場面で、受付が扱うのはこの2枚である。渡す順番と説明の順番が、法の求める手続きそのものになっている。

受験対策と補習は対象から外れる

定義には除外規定がある。語学教室に該当するのは語学の教授のうち、入学試験に備えるためのものと、大学以外の学校における教育の補習のためのものを除いたものとされている。同じ英語を教えていても、高校受験の対策として提供されるなら学習塾の枠で扱われる。子ども向けコースを持つ教室では、この区別が書面の作り分けに効く。

解約の申し出には、請求できる額の上限がある

クーリング・オフは書面を受け取った日から8日

法第48条により、消費者は法定の書面を受け取った日から8日以内であれば、書面または電磁的記録で契約を解除できる。すでにレッスンを受けていても対価の支払いは不要で、違約金も発生しない。

中途解約は「5万円か残額の20%の低いほう」

8日を過ぎたあとも、消費者は将来に向かって解約できる(法第49条)。このとき事業者が請求できる額の上限は、役務の提供開始前が1万5,000円。提供開始後は、すでに提供した分の対価に加えて、5万円か契約残額の20%のいずれか低い額までとなる。

学習塾では提供開始後の上限が「2万円か1か月分の授業料相当額のいずれか低い額」で、金額も基準も違う。両方を扱う教室では、コースごとに数字を取り違えないことが窓口の要件になる。契約の扱いを塾側から見た整理は学習塾・予備校の受付の仕事内容にまとめている。

教材も一緒に解約できる

語学教室の関連商品として政令が指定しているのは、書籍(教材を含む)、カセットテープ・CD・CD-ROM・DVDなど、ファクシミリ機器・テレビ電話である。本体の契約を解除すれば、これらの販売契約も解除できる。2024年の教材料売上高は38億8,900万円で、売上高全体614億3,300万円の6.3%にあたる。教材の在庫と返品が窓口に来る背景には、この規模がある。

数字が示しているのは、継続のほうが難しいということ

新規はほぼ横ばい、在籍は減っている

2023年と2024年を並べると、新規入学生数は12万2,401人から12万348人へ1.7%の減少にとどまった。一方で受講生数は431万9,666人から412万1,818人へ4.6%減り、売上高も638億7,700万円から614億3,300万円へ3.8%減っている。

入ってくる人はほとんど変わっていないのに、在籍している人が減っている。契約を取ることより、通い続けてもらうことのほうが難しい局面にある。

学習の動機は「教養を高めるため」が最も高い

総務省の令和3年社会生活基本調査によれば、「学習・自己啓発・訓練」として英語を挙げた行動者率は男性13.5%、女性12.2%だった。目的別に見ると、英語は「自分の教養を高めるため」が最も高い。

仕事で必要に迫られた学習なら、忙しくても優先順位は落ちにくい。教養として始めた学習は、生活の都合で後回しになりやすい。「しばらく休みたい」という連絡は、この動機の構造から出てくる。

給料はどのくらいか

英会話スクールの受付だけを取り出した賃金統計はない。目安になるのは職種としての受付・案内事務員である。

区分 金額 母数
受付・案内事務員(短時間労働者) 時給1,231円 84,580人
受付・案内事務員(フルタイム年収換算) 約356万円 84,880人
個人教師(短時間労働者・参考) 時給1,486円 169,940人

正社員の枠は4割ある

外国語会話教室の従業者6,554人のうち正社員は2,693人で41.1%を占める。パート等が58.9%で多数派ではあるものの、学習塾の正社員比率24.6%と比べれば正社員の枠は厚い。契約の手続きまで担当する職種であることが、雇用形態にも表れている。オフィス系と並べて比べたい場合は総合受付・オフィス受付の求人が近い比較対象になる。

未経験から英会話スクールの受付を始めるには

英語力は求められるのか

窓口の業務は日本語で進む場面が多い。ただし2024年の講師8,806人のうち非常勤が6,240人(70.9%)を占める体制では、シフトの連絡や教室の運営を講師とやり取りする場面が出てくる。求人票の応募資格に英語のレベルが書かれているかどうかで、担当範囲を読み取れる。

求人票で確認したい4点

  • 業務に契約手続きが含まれるか、案内と予約に限られるか
  • 契約件数の目標が設定されているか
  • 土日と平日夜の出勤があるか
  • 子ども向けコースを扱うか(受験対策なら適用される規定が変わる)

4点のうち先に効くのは2番目である。1事業所あたりの新規入学が月2〜3人という水準で目標が置かれると、1件の契約が評価に直結する。案内中心か契約まで担うかは、応募の前に確かめておきたい。

よくある質問

英会話スクールの受付に英語力は必要ですか

必須とは限らない。窓口の業務は日本語での案内と予約管理が中心になる。ただし講師には非常勤の外国人が多く、シフトの連絡などで英語を使う場面はある。求人票の応募資格の記載で判断できる。

体験レッスンの受付では何をしますか

通う目的と現在のレベルを聞き取り、コースと料金を案内し、希望があれば契約の手続きに進む。語学教室は特定継続的役務にあたるため、締結前に概要書面を、締結後に契約書面を交付する義務がある。

英会話スクールの受付が忙しいのはいつですか

3月と4月である。2024年の月別新規入学生数は3月が1万4,576人、4月が1万4,522人で、最も少ない12月(6,496人)の2.2倍にあたる。

途中で辞めたいと言われたら返金はどうなりますか

中途解約では事業者が請求できる額の上限が定められている。提供開始前は1万5,000円、開始後は提供済みの対価に加えて5万円か契約残額の20%のいずれか低い額まで。教材などの関連商品も一緒に解除できる。

次に読む

出典

  • 消費者庁「特定商取引法ガイド」特定継続的役務提供。語学教室(期間2月超・契約金総額5万円超、入学試験対策および大学以外の学校の補習を除く)、法第42条の書面交付義務、法第48条のクーリング・オフ(書面受領日から8日)、法第49条の中途解約(開始前1万5,000円/開始後は5万円又は契約残額の20%のいずれか低い額)、関連商品の指定
  • 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」外国語会話教室(2024年1〜12月分・年間補正済)。売上高61,433百万円(教材料3,889百万円)、受講生数4,121,818人、新規入学生数120,348人、延べ開設数4,152,111回、事業所数3,869、従業者数6,554人(正社員2,693人)、講師数8,806人(非常勤6,240人)、月別新規入学生数(3月14,576人・4月14,522人・12月6,496人)。2023年は売上高63,877百万円・受講生数4,319,666人・新規入学生数122,401人。学習塾は従業者48,662人中の正社員11,989人。有意抽出のため母集団への復元なし
  • 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」。学習・自己啓発・訓練の「英語」の行動者率は男性13.5%・女性12.2%、目的別では「自分の教養を高めるため」が最も高い
  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(産業計・企業規模計10人以上)。受付・案内事務員 短時間84,580人・時給1,231円/一般84,880人・年収換算約356万円、個人教師 短時間169,940人・時給1,486円

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この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

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