レンタカー・カーシェア受付の仕事内容|1日の流れ

レンタカー・カーシェアの受付の仕事内容|1日の流れ・向いている人・未経験の始め方

レンタカーの受付は、予約の確認と契約手続き、車両の引き渡しと返却の受付、車内の点検と清掃の手配、精算を担う。

この並びのうち、他の受付職と最も性格が違うのが最初と最後である。貸すときは免許証を確認しないと引き渡せない。返すときは車両を見ないと受け取れない。人ではなく物の受け渡しが業務の芯にあるため、応対の丁寧さだけでは仕事が終わらない。

全国レンタカー協会の集計によると、2025年3月末のレンタカー車両数は116万8,522台だった。うち乗用車は69万2,578台で59.3%、貨物車は40万3,142台で34.5%を占める。3台に1台はトラックかバンで、旅行客に車を貸す仕事という像は実態の一部でしかない。

目次

レンタカー・カーシェアの受付の仕事内容とは何か

業務は貸出、返却、店舗運営の3つに分かれる。

貸出時に受付が確認するもの

予約内容の照合、運転免許証の確認、契約書と貸渡証の作成、補償制度の説明、支払い方法の登録。そのうえで車両まで案内し、装備と操作方法、給油の種類、返却時刻を伝える。

説明する項目が多いため、1件あたり10分から15分かかる。予約が重なる時間帯は、この積み上がりがそのまま待ち時間になる。

返却時に受付が確認するもの

走行距離、給油の状態、車体の傷や汚れ、車内の忘れ物。傷の有無は貸出時の記録と突き合わせて判断する。ここで確認が漏れると、次の客に貸したあとで発覚し、責任の所在が分からなくなる。

店舗運営に付随する業務

配車の管理、予約の電話とメールへの応答、洗車と清掃の手配、事故と故障の一次受け。経済産業省の特定サービス産業動態統計によると、自動車賃貸業の常用従業者数は36,155人、調査企業の事業所数は2,961で、1事業所あたり12人ほどの規模になる。小さな店舗では、受付が配車も洗車の段取りも持つ。

なぜ免許証の確認が受付の最初の仕事になるのか

丁寧さの問題ではなく、記録として残す義務がある。

貸渡簿と貸渡証に免許証番号を書く

国土交通省の自家用自動車有償貸渡実施要領は、事業者が備える貸渡簿と、借受人に交付する貸渡証の記載事項を定めている。そこには「運転者の氏名、住所、運転免許の種類及び運転免許証の番号」が含まれる。

つまり免許証を見ないと、書類が完成しない。加えて貸渡簿には走行キロ数と事故に関する事項も記載する。返却時の確認が形式的な作業でないのは、この帳簿につながっているからだ。

運転する人が借りる人とは限らない

契約者と運転者が別人であるとき、運転する全員分の免許証を確認する。人数が増えるほど手続きは伸びる。家族旅行の出発前という、客が最も急いでいる場面でこの作業が入る。

番号だけを見て終わる作業ではない

警察庁の運転免許統計(令和6年版)によると、令和6年末の運転免許保有者8,174万2,303人のうち、AT限定の条件が付いた免許は1,925万4,980人で23.6%、眼鏡等使用の条件が付いた免許は4,263万4,509人で52.2%にのぼる。

4人に1人がAT限定、2人に1人が眼鏡等使用という分布である。条件欄の確認は例外処理ではない。

レンタカーとカーシェアでは受付の仕事がどう違うのか

同じ「車を貸す」でも、有人か無人かで残る業務が変わる。

カーシェアは受付カウンターを持たない

カーシェアリングは会員登録と予約をオンラインで完結させ、車両はステーションで無人のまま引き渡される。店頭の受付業務は発生しない。

その代わり、会員からの問い合わせ、車両の巡回点検、清掃と給油、トラブル時の連絡が残る。募集される職種名も、受付ではなく運営スタッフやカスタマーサポートになりやすい。

レンタカー店舗は貸出のたびに人が立ち会う

レンタカーは引き渡しと返却の両方に人が立ち会う前提で制度が組まれている。受付という職種名で募集されるのはこちら側になる。

レンタカーの受付の1日の流れはどのようなものか

出発と返却の2つの山が、1日の形を決める。

朝の出発ラッシュ

開店直後から午前中にかけて、貸出が集中する。予約客が続けて来るため、契約手続きと車両案内を並行で回す。この時間帯は受付が最も忙しい。

日中

昼から夕方までは比較的落ち着く。予約の電話対応、返却された車の清掃手配、翌日の配車の確認をこの時間に進める。

夕方から閉店

夕方は返却が重なる。走行距離と給油、傷の確認、精算を1台ずつ処理する。返却が閉店間際に集中すると、そのまま残業になる。

レンタカーの受付がきついと言われるのはなぜか

負荷の出方が季節と時間帯に偏っている。

夏に個人利用が跳ね上がる

特定サービス産業動態統計によると、2024年のレンタル契約台数は1,746万8,534台だった。四半期別に見ると、7月から9月が471万7,227台で最も多い。個人向けに限ると同期は211万3,430台で、1月から3月の161万1,791台の1.31倍になる。

夏休みと連休に需要が寄る業態なので、繁忙期に休みを取りにくい。観光地の店舗ではこの偏りがさらに強くなる。沖縄県だけで5万6,658台が登録され、うち87.4%にあたる4万9,523台が乗用車である。全国の乗用車レンタカーの7.2%が沖縄にある。

客の6割近くが法人である

同統計の2024年のレンタル契約台数のうち、法人向けは1,024万7,163台で58.7%を占める。個人向けは722万1,371台で41.3%だった。

法人利用は平日に動く。工事、配送、営業回り、代車。貨物車が車両の3台に1台を占めるのはこのためで、応対の相手は旅行客より仕事で借りに来た人のほうが多い。急いでいる客が続く時間帯は、説明を短くしながら手順を落とさない判断が要る。

傷の判定で客と向き合う

返却時に傷が見つかったとき、貸出前からあったのか、利用中についたのかを確かめる。記録が残っていれば話は早い。残っていなければ、その場で説明する役が受付に回る。

レンタカーの受付の給料の目安はどのくらいか

レンタカーの受付だけを切り出した賃金統計はない。厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で最も近い区分は「受付・案内事務員」である。

区分 賃金 平均年齢 勤続年数 労働者数
短時間労働者(パート) 時給1,231円 50.1歳 6.2年 84,580人
一般労働者(フルタイム) 年収換算356万円 42.0歳 8.6年 84,880人

パートは月13.7日・1日5.7時間の勤務で、月収換算は約9万6,000円になる。産業計の平均であり、レンタカー各社の水準を示すものではない。

繁忙期の時給を上げる求人や、空港店舗で早朝手当を付ける求人がある。年間の平均で見るか、繁忙期の額面で見るかによって印象が変わるため、通常期の時給を先に確認したい。

未経験からレンタカーの受付を始めるにはどうすればよいか

貸す側の車が増え続けている業態である。全国レンタカー協会の集計では、2019年3月末に88万3,743台だった車両数が2025年3月末には116万8,522台になった。6年で32.2%増え、うち乗用車は47万7,378台から69万2,578台へと45.1%伸びている。車が増えれば、貸出と返却に立ち会う人も要る。

求人票で見るべき4点

  • 受付専任か、洗車と配車まで含むか
  • 運転免許が応募条件に入っているか
  • 繁忙期の勤務日数と、休みの取り方
  • 空港店舗か、市街地店舗か、法人向け営業所か

2番目と4番目は対にして読む。回送や構内での車両移動がある店舗では、免許が必須条件になるからだ。同じく免許証の確認と予約管理を扱う職場としては空港のグランドスタッフ・受付の仕事内容が近い性格を持つ。

空港や観光地の案内窓口も候補に入れるなら、ホテル・施設・インフォメーションの求人を探すから勤務地と勤務形態で絞り込める。

よくある質問

運転免許は必要ですか

車両の入れ替えや回送を任される店舗では必須条件になる。受付とカウンター業務に限る募集なら不要とする例もある。求人票の応募条件欄で分かれる。

車の知識がないと働けませんか

車種と装備の説明は入社後に覚える前提の募集が多い。ただし給油口の位置や操作方法など、引き渡し時に必ず聞かれる項目はある。整備の判断は整備担当が行う。

事故の連絡が来たらどうするのですか

一次受けは店舗の受付が担うことが多い。貸渡簿には事故に関する事項の記載が定められており、状況の聞き取りと記録が最初の仕事になる。示談や修理の判断は本社や保険会社に引き継がれる。

繁忙期はどのくらい忙しくなりますか

2024年のレンタル契約台数は7月から9月が471万7,227台で最も多く、個人向けは1月から3月の1.31倍になる。夏休みと連休に集中する業態で、観光地の店舗ほど差が大きい。

次に読む

出典

  • 一般社団法人全国レンタカー協会「レンタカー車種別車両数の推移」「運輸支局別レンタカー車両数」(2025年3月末現在/一般財団法人自動車検査登録情報協会等のシステムによる集計・軽自動車を含む)。合計1,168,522台(前年比106.6%)、乗用車692,578台、貨物車403,142台、特種用途車等61,405台、マイクロバス5,959台、二輪車5,438台。2019年3月末は合計883,743台・乗用車477,378台。沖縄56,658台(乗用車49,523台)
  • 警察庁交通局運転免許課「運転免許統計(令和6年版)」。令和6年末の運転免許保有者数81,742,303人、AT限定条件付運転免許19,254,980人、眼鏡等使用条件付運転免許42,634,509人
  • 国土交通省「自家用自動車有償貸渡実施要領」(自旅第138号・平成7年6月13日、令和4年5月31日一部改正 国自旅第55号)。貸渡簿および貸渡証の記載事項として運転者の氏名・住所・運転免許の種類および運転免許証の番号、走行キロ数、事故に関する事項を規定
  • 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」8 自動車賃貸業(2024年1月〜12月分・年間補正済/2025年3月19日更新)。レンタル契約台数17,468,534台(法人向け10,247,163台・個人向け7,221,371台)、2024年7〜9月期4,717,227台(個人向け2,113,430台)、1〜3月期4,063,966台(個人向け1,611,791台)、調査企業の当該業務を営む事業所数2,961、常用従業者数36,155人。本調査は2024年12月調査をもって終了
  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」受付・案内事務員(企業規模計10人以上・産業計)。短時間労働者84,580人・時給1,231円/一般労働者84,880人・年収換算356万円

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この記事を書いた人

受付・コールセンター歴10年の編集者。企業受付・インバウンド・SV(管理者)・採用担当を経験し、現場目線で「受付キャリアナビ」編集部の記事執筆・編集を担当。

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